皆さん、こんにちは。
ブックレビューです。
千田琢哉著
「作家になる方法」(あさ出版)
今回はこの単行本を取り上げます。
人はなぜ作家を目指すのか。それは、啓示を受けたからである。
作家はなぜ書籍を出し続けるのか。それが、使命だからである。(本書より)
そして著者は「小説家は社会不適合者が向いている」と言っていますね。
どんな内容なのか。
詳しく見ていきましょう。
「作家になる方法」とは?小説家は社会不適合者が向いている!
以下の章から成り立っています。
1 準備をする
2 執筆する(設計編)
3 執筆する
4 第1作目を出版する
5 第1作目を重版させる
6 ヒット作を出す
7 作家になる
8 書籍を出し続ける
9 作家として生きていく
それぞれいろんなことが書かれていて、なるほどと合点のいく話が多い。
まずどんな人が小説家に向いているのか。
惨めな青春を送りずっと現実と理想のギャップに打ちのめされながら、もう小説でも書いて妄想の世界に浸らないとやっていられないと、発狂寸前になって気がついたら書いてしまっているのが小説家になれる人である。
蕩けるような恋愛小説が書ける人は、蕩けるような恋愛経験者ではない。
この意見には納得です。
筆者もかつて精神病質的に悩んでいた時期があり、その頃がもっとも本を読み、もっとも小説を書いていましたね。
今も書き続けているわけですが、なぜ書いているのか?
現状に満足できないからでしょうね。
さらに著者は「社会不適合者が作家に向いている」とも。もちろん社会不適合者が必ず作家になれるというわけでもないけれど。
小説家の中によくいるのは、昔の職場で大嫌いだった上司を作品中に登場させて酷い殺し方でやっつけるという人だ。
これは作家として素晴らしい。
ここで気になった項目を列記しておきます。
畢竟、社会不適合者が作家に向いている。
ミリオンセラーは、四面楚歌の修羅場から生まれる。
自分が書いて面白くない文章を世に出してはいけない。
立ち読みした人がパッと開いて、「おっ」と思うように書く。
行き詰ったら、とりあえず寝る。
AI作家は善戦する
AI作家は、意外に善戦する。
この項目では著者はこんなふうに述べています。
気になったので、紹介しておきましょう。
この先AIによるコンテンツがどんどん発売されるはずだ。
作家や評論家の中には「所詮、AIだから……」と批判的な意見を述べる人も多いが、私は意外に善戦すると考えている。
人気作家の作品が5とすれば、AI作家の作品は「オール4」といったところだろう。きっとAI作家市場というものもできて、それが好きだというファンも生まれるはずだ。とは言うもののやはりオール4だから微妙な心のひだまでは表現できないだろう。
以上のことから無料もしくは安価で読みやすい文章を求める人はAI作家を好む傾向になり、それなりのお金を払ってでも教養が必要とされる文章を求める人は職業作家を好む傾向になるだろう。
自称作家や売れない作家よりもAI作家のほうが支持されるのは間違いないが。
ベストなのは、小粒ピリリ系出版社の社長をやる気にさせること。
ビジネス書は、プロフィールを買ってもらっている。
小説家志望者は、正々堂々と新人賞を狙うのが王道かつ近道。
自分のSNSやホームページは2年以上前から仕込み、継続的に更新しておく。
ライバルが「真似できない」「真似しにくい」「真似したくない」ことをやれ。
ビジネス系作家は小説を、小説家は小説以外の本をもっと読もう。
脳に不可欠な栄養は、タンパク質だ。
作家は世界を変えられる。
詳しく何が書かれているかは、本書を手に取って読んで欲しいです。
作家になりたいと思っている人には、良書だと思いますね。
著者紹介(本書の著者紹介から引用)
●略歴
千田琢哉(せんだ・たくや)
文筆家。愛知県生まれ。岐阜県各務原市育ち。東北大学教育学部教育学科卒。
日系損害保険会社本部、大手経営コンサルティング会社勤務を経て独立。コンサルティング会社では多くの業種業界におけるプロジェクトリーダーとして戦略策定からその実行支援に至るまで陣頭指揮を執る。のべ3,300人のエグゼクティブと10,000人を超えるビジネスパーソンたちとの対話によって得た事実とそこで培った知恵を活かし、“タブーへの挑戦で、次代を創る”を自らのミッションとして執筆活動を行う。
会社員時代の2007年10月に出版デビューを果たし、その5年後に50冊超を出版。自著は本書で179冊目(文庫版・共著など含めると200冊超、海外翻訳版40冊超)、著書累計発行部数350万部超(2024年2月現在)。代表作は累計22.3万部突破した『死ぬまで仕事に困らないために20代で出逢っておきたい100の言葉』(かんき出版)、十数年にわたり売れ続け累計10万部に迫るロングセラー『人生で大切なことは、すべて「書店」で買える。』(日本実業出版社)など。リスナーから届く質問に毎月2回答える音声ダウンロードサービス「真夜中の雑談」、出版社を一切介さない完全書き下ろしPDFダウンロードサービス「千田琢哉レポート」も好評を博する。
まとめ
本日は千田琢哉著「作家になる方法」(あさ出版)を取り上げました。2024年2月に発売されたビジネス書です。簡単に読めますし、いろいろと参考になることが書かれています。といっても、作家になりたいと思っている人に向けて書かれた内容です。
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