皆さま、こんにちは。
ブックレビューのお時間です。
本日はこの本を取り上げます。
田中泰延著「読みたいことを、書けばいい。人生が変わるシンプルな文章術」(ダイヤモンド社)
一読すればわかりますが、なるほどシンプルな文章術です。
読みたいことを書けばいい!シンプルな文章術
本書の構成はこうなっています。
序章 なんのために書いたか
第1章 なにを書くのか ブログやSNSで書いているあなたへ
第2章 だれに書くのか 「読者を想定」しているあなたへ
第3章 どう書くのか 「つまらない人間」のあなたへ
第4章 生き方を変えたいあなたへ
「自分のために、書けばいい。読みたいことを、書けばいい。」
どうやらそれが結論ですね。
先に著者のプロフィールを紹介していきましょう。
以下はダイヤモンド社のPR文です。
田中泰延(たなかひろのぶ)氏は、1969年大阪生まれ。
早稲田大学第二文学部卒。
学生時代に6000冊の本を乱読。電通に入社後、24年間コピーライター、CMプランナーとして活動。
2016年に退職。
フリーランスとしてインターネットで執筆活動を開始。
webサイト「街角のクリエイティブ」に連載する映画評「田中泰延のエンタメ新党」「ひろのぶ雑記」が人気コラムに。
「明日のライターゼミ講師」。
本書が初の著書。
(著書プロフィールより)
ネットの文章は9割が「随筆」だって
ネットで読まれている文章の9割は「随筆」。
著者はこう指摘していますね。
では、随筆とは何か?
「事象と心象が交わるところに生まれる文章」
それが随筆です。
事象とはすなわち、見聞きしたことや、知ったことだ。世の中のあらゆるモノ、コト、ヒトは「事象」である。それに触れて心が動き、書きたくなる気持ちが生まれる、それが「心象」である。
その2つがそろってはじめて「随筆」が書かれる。人間は、事象を見聞きして、それに対して思ったこと考えたことを書きたいし、また読みたいのだ。
事象を中心に記述されたもの、それは「報道」や「ルポルタージュ」と呼ばれるものでしょう。
次に、心象をメインに記述されたもの、それは「創作」「フィクション」と呼ばれる。すなわち小説だったり、詩だったりするのですね。
報道やルポルタージュは、事実の事象がメインで、だれもがその事実を知りたいから読みますね。そこに書き手の感想が入っている場合もありますけど、基本的にはあまり入っていません。
処理の仕方としては、だれかのコメントなどで、それを補っていると言えましょう。
事象寄りのものを書くならば、それは「ジャーナリスト」「研究者」であり、心象寄りのものを書くのであればそれは「小説家」「詩人」である。
そのどちらでもない「随筆」という分野で文章を綴り、読者の支持を得ることで生きていくのが、いま一般に言われる「ライター」なのである。
そして著者はこうも言っています。
だれかがもう書いているなら読み手でいよう
「自分が読んでおもしろい文章」とは、「まだだれも読んでいない文章を自分で作る」ということですから、だれかが書いているものを書いたって仕方がありませんね。
たとえば、映画を観ておもしろければ、何かを書きたいと思うかもしれない。
これがつまり「映画という事象によって心象が生じる」という出来事なんですね。
しかし、映画のパンフレットもあれば、映画雑誌なんかでもプロの評論家が書いていたりもするし、無数の映画レビューや映画ブログなんかもあります。
そこで自分が書こうとするものが同じ切り口で書かれていたら、あなたは今さら何も書く必要はないということ。
「わたしが言いたいことを書いている人がいない。じゃあ、自分が書くしかない」
読み手として読みたいものを書くというのは、ここが出発点なのだ。
そうなんですよ。
あなたが小説を書こうとするなら、どうしてもいいたいことがあって、しかも誰も書いていない場合です。
筆者の知り合いで、認められない恋愛の末に自殺した人物がいます。
知り合いの男性は20代。恋人は10代でした。
北海道に旅行に行って2人で心中したのです。
事象と心象。
これが交差し、何かを書きたいと思いましたが、さすがに知り合いのことなので、何も書けませんでしたが、気持ちは揺れました。
もちろんよく似た心中事件はきっと世の中に多いことでしょう。
そうも思いましたからね。
まとめ
最初に書かれた文章を最初に読むのはあなたです。次に読むのは、友達かも知れないし、編集者かもしれません。基本的には「自分が読みたいことを書く!」という著者の解説は正しいと思います。さあ、書きましょう。あなたが読みたいものを!
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