伊与原新著「藍を継ぐ海」直木賞受賞作のあらすじや感想は?ネタバレも

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皆さん、こんにちは!
「読書虫」ブックレビューのお時間です。

本日は第172回直木賞受賞作、伊与原新著『藍を継ぐ海』(新潮社)を取り上げます。

『藍を継ぐ海』は5つの短編を収録。
「夢化けの島」 「狼犬ダイアリー」 「祈りの破片」 「星隕(お)つ駅逓(えきてい)」 「藍を継ぐ海」―― 以上5編の短編集となっています。

おもしろかったですね。文章も読みやすく、すらすらと読めます。もちろん冗漫な表現はなく、巧みな文章ですけどね。
詳しく見ていきましょう。

伊与原新著「藍を継ぐ海」のあらすじや感想は?ネタバレも

本作は、日本各地を舞台にその土地特有の歴史や自然などをモチーフとした短編集です。
表題作は徳島県の海辺の町でウミガメを育てようとする女子中学生が主人公の物語で、ウミガメの産卵地として知られる美波町の地名や施設が登場しますよ。

年老いた父親のために隕石を拾った場所を偽ろうとする北海道の身重の女性。
山口の見島で、萩焼に絶妙な色味を出すという伝説の土を探す元カメラマンの男。
長崎の空き家で、膨大な量の謎の岩石やガラス製品を発見した若手公務員。
都会から逃れ移住した奈良の山奥で、ニホンオオカミに「出会った」ウェブデザイナーの女性…。

これらの男女の物語です。心揺さぶられる全5篇。

読み応えがありましたね
地方が舞台なので方言もふんだんに取り入れられています。

著者が最初に書いたのは、長崎の爆心地の話「祈りの破片」。次が「狼犬ダイアリー」、ニホンオオカミの話で、舞台は奈良の東吉野村です。

筆者の個人的な好みは、「狼犬ダイアリー」です。物語には、狼犬が登場します。「狼混(ろうこん)」とも言われ、要はオオカミ交じりの犬のこと。 奈良の東吉野村には観光や渓流釣りで行ったことがあるし、興味深かったです。

また、表題作の「藍を継ぐ海」も、ウミガメの話で一気に読めましたね。

伊与原新さんの経歴は?

著者の伊与原新さんは、大阪・吹田市生まれの52歳。
東京大学大学院で地球惑星科学を専攻し、その後、富山大学で助教を務めていたときに小説を書き始めたと言います。
作家デビューは2010年です。「お台場アイランドベイビー」で横溝正史ミステリ大賞を受賞。
NHKでドラマ化された「宙わたる教室」など科学をテーマにしたミステリーや青春小説を次々と発表。直木賞は2回目の候補での受賞となりました。

元々はミステリーを書かれていたんですね。

週刊文春」(第1531回、阿川やす子のこの人に会いたい)にゲストで登場していました。

伊与原新さんによれば、「私の父方の祖父が徳島出身で、宍喰出身なんですけど、そういう意味でも、とても身近に感じている土地ではあるので、ぜひ読んでいただけたらうれしいです。」と言っています。

「藍を継ぐ海」に登場する徳島県美波町のウミガメ専門の博物館では、受賞をきっかけにウミガメへの関心が高まることに期待を寄せているそうですよ。

「日和佐うみがめ博物館カレッタ」は世界でも珍しいウミガメ専門の博物館で、現在は、全面リニューアル工事のため休館中。今年の夏ごろに開館する見込みだとか。

さらに、こんな発言も。

すごい反響です。特に「夢化けの島』の舞台になった萩は今かなり盛り上がっていまして、イベントを自主的にやってくださったり、つい先日もこの短編にまつわる展示が開催されていました。表題作の舞台になった徳島も応援してくれていますし、「星隕つ駅逓」の北海道も取材がすごいです。

やはり直木賞受賞作ともなれば、反響が大きいんですね。

この作品を読めてよかった、というのが正直な感想です。
小説はいいなあ。
漫画はスマホで読んだりもしますが、小説は紙がいいと思っていますね。

まとめ

今回は直木賞受賞作「藍を継ぐ海」を取り上げました。とてもよかったですよ。地方を舞台にした小説は、とくに自分が知っている街(村)が舞台だと、一層興味がわきますしね。

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