ブックレビュー
ナムグン・ヨンフン著「みんながよみたがる文章」(日経BP)
皆さん、こんにちは!
ブックレビューのお時間です。
本日はナムグン・ヨンフン著『みんながよみたがる文章』(日経BP)を取り上げます。
最新刊ですが、この手の本ではかなりおすすめですよ。
何がって、読みやすい文章で、なおかつ的を射た内容だからです。個人的には、今まで読んだ文章読本のなかでは、イチ押しです。
本の帯には、「書ける人は人生を変えられる」とあります。
さらに、「『とても』『最も』などは使わない。具体的に書く」「古典を読むことは、思考を爆発させる」「まずは最後まで書ける人に才能がある」「文章が書けることは、あらゆる場面で収入に直結する」
「読みやすくしたいならセリフを使う」「チャットGPTで実際にウエブ小説がスラスラ書ける」などとあります。
423ページのわりと分厚い単行本です。
「みんながよみたがる文章」書ける人は人生を変えられる
書ける人は人生を変えられるって?
そりゃ確かに有名な新人賞や芥川賞、直木賞を獲れば、人生を変えられるでしょう。
元々才能があるからじゃないの?
筆者なんかはそんなふうにうがった見方をしてしまいます。
しかし、作者は言っています。
「人生を変えたければ一行書くことから」だと。
「書くために読め、読んだら書け」。読んだら書かなければならず、書くためには読まなければなりませんね。
作者はこのことを繰り返し、綴っています。
「人間がつくり出したもっとも高貴なことが、読むことと書くことです。」とも。
実践で人生を変えた人たちについても触れています。
『あなたにそっと教える夢をかなえる方式』(吉川南訳、サンマーク出版、2009年)/イ・ジソン、借金を抱えていた小学校の教師時代にこつこつと文章を読んで書き、『女ならヒラリーのように』(未邦訳)という本でベストセラー作家となった。
『ハリー・ポッター』シリーズ/J・K・ローリング、離婚後、ミルク代もないなか『ハリー・ポッター』シリーズがベストセラーとなり、世界的な大富豪になった。
『新装版 成功哲学』(田中孝顕訳、きこ書房、2020年)/ナポレオン・ヒル、雑誌社の記者だったが、アンドリュー・カーネギーの遺志を継いで、お金持ち507名に会い、成功の法則を整理した本を出版。世界的な成功学の講師となった。
他にも、いろんな人がいるでしょう。
売れる文章を書きたければ資料探しから始める!
大事なことは、「文章とは、ゼロからの創造ではなくマネすること」と、はっきり言っています。
これはどういうことかと言うと、文章は天才的な発想によって出来上がるのではなく、まず文章は資料から浮かんでくるということ。
文章においては、資料探しが重要であるということなのです。
文章がインスピレーションや天才性からつくられるのではなく、準備や努力からつくり上げられるものだということですね。
そんなことを逐一説明しています。なるほどね。
魂のこもった文章を書きたければ、それについての資料をとことん読まなければなりません。
これは説得力があります。
「うまく書けないのは、まだ資料収集が足りていないためです。」
資料をたくさん収集すれば、よい文章が書けます。
著者はそう記しています。
知の巨人、立花隆のエピソードを上げていますね。
立花隆は『風立ちぬ』というアニメの推薦文を書くために、航空工学や映画の背景となる本を数十冊読み、戦後の東京大学研究所の変遷まで調べたそうです。そうまでして書いた推薦文の分量は、わずか2100文字ほどだった。
このエピソードは参考になりますね。
読まれる文章、すなわち売れる文章は資料収集から!ということなのです。
この本の最後には、「チャットGPTを使いこなせれば、夢が叶う」というテーマで、いろいろ書かれていて、すごく参考になります。
シンプルなプロンプトの出し方や、読者が最も好きな「対立」「成長」というコードを盛り込むことが大事だということも言っていますよ。
興味ある方は、ぜひこの本を手に取ってみてください。
まとめ
ある意味、目からうろこです。文章は模倣から、という意見は納得でしたね。
細かいテクニックも記載されています。この作家のことは知りませんでしたが、すごく参考になる単行本でしたよ!
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